19世紀後期の英国クィーン・アン様式で建てられた赤レンガ造りの三菱一号館美術館は英国のジョサイア・コンドルによる設計。明治27年の建物は老築化により一度解体されるも、平成になってから古材を利用して再現された赤レンガ館は当時を彷彿させるハイカラな美術館に生まれ変わっている。

今回の展覧会は、ダビンチとミケランジェロの素描作品を比較展示しながらルネサンス期に思いを馳せるもの。ギリシア神話の「レダと白鳥」題材の絵画比較では、白鳥に化けた主神ゼウスがスパルタン王の妻レダを誘惑する描写だが、実は両者の作品は現存せず、工房の弟子達による模写が伝わっている。しかしこの比較絵画が実に素晴らしい。9月24日までの開催。(PO)