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博多

半年近く前の話になります。1月頃に「へし切長谷部」という刀の展示を見る為、博多へ行って参りました。
「へし切長谷部」とは色々と説がありますが、かの有名な戦国武将の織田信長が、天才軍師と謳われる黒田官兵衛に贈ったとされる黒田家の家宝の1つである刀です。黒田家に代々受け継がれたのち国宝に指定され、その後黒田家から福岡市に寄贈され、現在は福岡市博物館の所蔵となっています。毎年1月上旬から2月上旬頃、福岡市博物館にて展示されています。
学生の頃からちまちまと続けているゲームがきっかけですが1番好きな刀なので、前から現地で実物を絶対に見てみたいと思っていました。しかし、距離が微妙に遠い上に時期的に雪の心配もあったので先延ばしにして気付けば何年も経っていました。そんな時SNSで福岡市博物館が2026年10月頃から大規模なリニューアルの為休館することを知り、開業予定が2029年3月……もうこれ逃したらチャンスなくなりそうなので行くことを即決意いたしました。

約5時間新幹線に耐え博多駅に到着し、福岡市博物館へと直行しました。

へし切長谷部
左は此方も黒田家の家宝の1つである名槍「日本号」です。
2振り並んで熱い展示です。
受付で飾られていた概念

初のご対面、凄く感動しました。
刀身全体に散りばめられた皆焼(ひたつら)という焼き入れの際に出来る紋様があるのですが、ライトに照らされてどこからどこ見ても本当にキラキラと夜空のように輝いていて凄く綺麗でした。金霰鮫青漆打刀拵(きんあられさめあおうるしうちがたなこしらえ)という拵も粒状の凹凸が本当に緻密で美しく、丹念に塗られた青漆の部分との対比にうっとりとしてしまいました。本やネットで写真は何度も見たことがあったり模造刀も所持しているのですが、当たり前ですが全く違いました。目の前に実物があるとやはり凛々しさや迫力が凄まじかったです。初の実物を目の前にして謎の緊張により記憶が定かではないのですが、多分10周以上して見てた気がします。本当に意を決して来て良かったです。

その後は、閉館時間ギリギリの中爆速で常設展示を見たり、夜の福岡タワーに登ってみたり、知人からオススメされた一人でも入れる水炊きのお店で美味しい夕飯を食べてみたりして1日目を大満喫しました。

翌日は特に予定を決めていませんでしたが、黒田官兵衛とその息子の黒田長政を祀る神社「光雲神社」を参拝し御朱印をいただき、大雨の中「大堀公園」や「福島城跡」をふらふらと散策し、知人にオススメしてもらった美味しい和菓子屋さんやお土産屋さんを巡り、夕飯はふらっと入ったお店で博多の地酒や銀だらみりんと酢もつと博多名物を色々と食べて2日目も良い感じに満喫しました。

最終日も特に何も決めていない状態でしたが、博多総鎮守として有名な「櫛田神社」へお参りはしたいと思い向かい、参拝し御朱印もいただきました。しかし、その前に電車を間違えて逆方向の天神まで行ってしまいました。折角だからと「天神地下街」を散策したらかなり自分好みの暗く落ち着いたレトロな雰囲気だった為、逆方向の電車に乗れてよかったです。何気なく入った地下街のパン屋さんも焼きたてで美味しかったです。ふらふらと博多駅付近を散策していたら良い感じに新幹線の時間になり、また約5時間新幹線に耐え帰宅しました。

かなり突発的な2泊3日の旅となりましたが、長年の夢の1つだった「へし切長谷部を現地で実物を見る」というが願いが叶い本当によかったです。来年の10月から休館してしまうので、来年も行きたいと思っています。次は飛行機を取り、博物館自体をゆっくり隅々まで見て回りたいです。