懇意にしていただいてるお鮨屋さんへ、早目の時間に顔を出す。カウンターには既に4人のお客様。御座敷には予約の入ったテーブル。
カウンターに座り、一言二言大将や女将と言葉を交わして、ビールで喉を湿らせる。「何切ろうか?」と大将が問うので「青いの。それと鮪の赤身。」と返し、早々に “底抜け” に切り替える。歯触りと舌触りの心地良い厚みに切られた刺身を程良く冷やされた日本酒で流し込む。至福である。
11月のこの時期になるとトラフグが入ってくるので、握りを所望。おそらく自分の中では一番好きなネタ。2月の終わりくらいまで、行く度に大将にお願いする。
昆布〆され旨味の増したフグの白身からもみじおろしと葱がほんのり透けて見え、見た目もきれいで食べるのがもったいないくらいだ。美しき冬の味覚。
大将と女将、他のお客さんと喋り、十分にお酒と肴を楽しんだところでお勘定。
見送りしてくれる女将に「ごちそうさまでした。また今度。」
酔っ払い特有の上機嫌で家路につく。
(SM)