美しいとしか言葉が出ない。他の場所行かなくていいから,帰りのフライトの時間までここに居たい,というか何日か滞在して隅々まで堪能したいが,残念ながらバンコクからの日帰りツアーなのでそうはいかない。行程の都合があるからと割とサクサクと説明するガイドさんを旦那に任せ,出来るだけゆっくりと進む。
元画家のアーティストであるチャルムチャイ・コーシッピパット氏が、1997年にデザインしたトランス・ミスティカル・アーキテクチャー(超神話的建築)である ワット・ロンクン(タイ語: วัดร่องขุ่น)。ネットで写真を目にした日から,“絶対に行ってみたい” と思っていた場所。
ワット・ロンクンは、タイ全土でもここでしか見られない壮麗で、美しすぎる純白の寺院。この白さは、仏教の開祖ブッダの清浄さ、宇宙をくまなく照らす光をイメージしています。「真の光」(仏の光)は、まったく影を作らない。宇宙いっぱいに広がり、すべての人々に平等に降りそそぐ。東大寺の「華厳経(けごんきょう)」の教えに通じる仏教観が、タイの純白寺院ワット・ロンクン」にも見られます。
実はワット・ロンクンは未だ建設途中。最終的には9つの寺院で構成され、完成は2070年頃だそうです。敷地内には人間の欲を表した “黄金のトイレ” や黄金の “ガネーシャギャラリー”(黄金は、身体を表しており、物欲、色欲そして金銭欲などというような、人間の煩悩を表しているとのこと。),“火葬場”,“祈りの井戸” など,他にも美しい建築物があります。また,チャルムチャイ・コーシッピパット氏の作品を展示しているギャラリーも隣接し,そこには2016年に崩御されたラーマ9世に捧げた作品があり,前国王がいかにタイ国民に敬愛されていたかを窺わせます。
何とか滞在時間を長引かせる方式でギリギリまで粘りましたが,ガイドさんにはかなわず,滞在1時間半ほどでワット・ロンクンを後にしました。今回の訪問だけでは満足できなかったので,今後も機会をうかがって何度か訪れたい場所です。
(S.M)